親不孝という罪。

ふと思う。

私は随分運が良く、恵まれていて幸せであると。

今まで、人生を狂わされるような大きな事件に巻き込まれたことは無い。

小さい頃からずっとまとわりつく劣悪な環境があったわけでもない。

平凡な人生を、ボーッと歩んできた。

それだけで、いや、それこそが、最大の幸せである。人として。

ただ一つ。

親を除いては。

私は両親に対して、少なくとも良い感情は持ったことが無い。

小さい頃はずっと恐怖の対象だった。何かやらかせばすぐに怒鳴られた。殴られた。

両親の口癖は「お前のためと思って言っている、こんなこと言いたくない。」「お前のためにどれだけ金と時間をかけてやってると思ってるんだ、勉強しろ。」だった。

教育論の云々に関しては全くわからないから、なんとも言えはしない。

だが、親元を離れて暮らしている今、ハッキリ気づいた。

私は両親が大嫌いだ。

両親の愚痴を、信頼の置ける人にそれとなく言ってきた。

だけど答えは誰も同じ、「親は大切にしろ」だった。

それじゃあ、お聞きしますね？

私が、悪いですか？

私しか、悪くないですか？

親が嫌いだというだけでなく、心の中で少し思っても、それは悪ですか？

親を大切にしなければならない人も、親を大切にしなくていい人も、きっとこの世には存在しないと思うんです。

もちろん子育ては大変で、無視してはいけないことだけど。

育ててもらったことは、親に全服従する大義名分となりえますか？

子供を力だけで抑え込むことは、正しいことですか？

それを時々ふと思い出しては、怖くなっても1人で耐えるしかないことは、仕方ないことですか？

親不孝は、罪ですか？

親は大切にしなければならないと思うそこのあなた、幸せですね。

あなたは恵まれてます。

親が大嫌いだという感情に苦しめられたことがないんでしょう？

「親」のイメージは、あなたの中で素晴らしい人格者なのでしょうね。あなた自身の親御さんのように。

ずっと、親が嫌いなのは私が最低な人格を持っているからだと思ってきたけれど。

そうじゃない、そう思う。

人生いい時もあれば悪い時もある。

親から離れられた今、私はこれから良い方向に向かうのみである。

それに、私は自分を褒めたい。

今までよく頑張った。

(これは随分偏った立場からしか考えていない文章なので、違う立場のことを想像した記事をまた書こうと思う。)